統合失調症
統合失調症は、実際にはない悪口などが聴こえる幻聴や、嫌がらせがないのにあると確信してしまう妄想などの症状が起こる病気です。治療を受けないと長い経過をたどることがありますが、新しい薬や治療法の開発が進んだことにより、多くの患者様に長期的な回復を期待できるようになっています。
統合失調症は多くは思春期から青年期に発症します。生涯のうちに統合失調症を発症する人は100人に1人弱で少なくない身近な病気といえます。
統合失調症は、数日で突然発症する場合もあれば、数か月または何年もかけて徐々に発症する場合もあります。ときに、落ち着きのなさ、うつ、不安、集中力低下といった軽い症状が先行する場合があり、前駆症状と呼ばれています。このような症状が統合失調症の始まりと認識できる場合もありますが、後になって初めて前駆症状と判明する場合もあります。
統合失調症の症状の重さや経過はさまざまですが、人間関係や仕事、身の回りのことをする能力に支障をきたすことがあります。経過はさまざまですが、発症早期の治療が重要であることが確かめられており、早期に治療を受けることが勧められます。
しかしながら、統合失調症では、本人が病気であることを自覚しないことがしばしばあり、そのために治療開始が遅れたり、治療が中断して、その間に症状が重くなってしまうことがあります。