大人の発達障害の原因
発達障害は神経、脳機能の発達の偏りによる障害です。その偏りのために、注意力、記憶力、知覚、言語、問題解決能力、対人関係に支障をきたします。発達の偏りがなぜ起きるのかは十分に解明されていませんが、素因的な要因が関係していることもあります。出生前のウイルス感染の関与している可能性を示唆した報告もあります。しかしながら、自閉症スペクトラム症(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)が子育ての失敗、養育環境によって起こるわけでないことは明らかになっています。
さらに、注意欠陥多動性障害(ADHD)については、神経刺激薬など神経伝達系に作用する薬剤が治療に用いられることからも、神経伝達物質(脳内で神経信号を伝達する物質)を介した神経伝達機能の障害が関与している可能性が考えられています。